ターポリマー系 アクチュエータ材料 Piezotech® RTシリーズ
アクチュエータ向け高誘電率材料
RTシリーズはフッ化ビニリデンモノマーと三フッ化エチレン、それに加えて第三成分を共重合したターポリマーです。第三成分としてはCFE(1.クロロ-1.フロロエエチレン)や、CTFE(1.クロロ-1.2.2トリフロロエチレン)を使用しています。この材料は電解をかけると大きな分極を持つ特徴がありその分極の二乗に比例して大きな変形を起こすという特徴がありますが、電解をゼロにすると分極がほとんどゼロに近く戻ってしまう(残留分極が小さい)という材料です。つまり電位差をかけると変形し、その電位差に応じた変形を起こす材料です。
また、樹脂材料としては特異的なほど大きな比誘電率を持ち、結晶化作業後の比誘電率は>30を示します。
Piezotech® RTシリーズは、粉末(パウダー)、インク、120×120mmフィルムにて販売しております。
詳細は製品販売形態をご覧ください。
項目 | RT FS | RT TS |
---|---|---|
CFE含量(%) | 7.5-9.5 | 0 |
CTFE含量(%) | 0 | 8-10 |
融点(℃) | 124-130 | 115-130 |
分子量(Kg.mol-1) | 425-625 | 410-575 |
残留分極(mC/m2) | <15 | <15 |
抗電解(V/μm) | <12 | <12 |
自発分極(mC/m2) | 63 | 50 |
比誘電率 | 45 | 30 |
図3 RTシリーズのD-Eヒステリシス曲線
図3にPVDFターポリマー(RTシリーズ)のD-Eヒステリシス曲線を示します。PVDFターポリマーに電場を印加する時と、ダイポールが整列状態になりますが、電場を除くとダイポールが無秩序な状態に戻ります。ダイポールの極性状態を保つ能力に関してPVDFコポリマー(FCシリーズ)と違い、PVDFターポリマーの方が弱いです。PVDFターポリマーはポーリングプロセスが不要です。この性質以外に、透明性や電わい性質があるため、High K絶縁体、大きな変形を与えるアクチュエータ、電気熱量デバイスに適切な材料です。
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