熱可塑性接着剤 STAYSTIK(ステイスティック)
MacdermidAlpha社社製熱可塑性接着剤 STAYSTIK
MacdermidAlpha社社製熱可塑性接着剤 STAYSTIKは熱可塑性樹脂をバインダとし、様々な特徴を持つユニークな高信頼性接着剤です。
熱可塑性接着剤の特長
- アウトガスレベルが極微量
- RoHS指令対応
- ペーストタイプ、フィルムタイプの2種類
- 導電性、熱伝導性(電気的に絶縁)、絶縁性の3タイプ
- ペーストは硬化時(加熱時)の"滲み出し"が少ない
- フィルムタイプ、Bステージ化後のペーストは短時間(数秒~数分)の熱圧着にて接着可能
- 常温で1年間保管可能
- 米軍MIL規格883, 5011・2に適合する高信頼性(0、10、80シリーズ)
- 低弾性係数による応力の緩和を実現(70シリーズ)
- リワーク(溶剤・加熱による剥離)可能
熱可塑性接着剤の主な使用例
海外・国内問わず、下記の半導体関連など幅広いアプリケーションの製品に採用されております。
ウェハバックコーティング例
(技術資料はこちらをご覧ください)
- ダイボンディング
- ウェハへのバックコーティング
(ダイボンディングのインライン実装の実現) - SAW(表面弾性波)デバイス内の素子接合
- 水晶振動子/水晶発振器内の水晶片の接着
- 光通信デバイス
- MCM
- 短冊状のダイボンディング
(低弾性係数によるストレス緩和) - ヒートシンク/ヒートスプレッダー接合
- LEDプリントヘッド
- サーマルプリントヘッド
- 各種仮固定用途
各シリーズの概要
0.01シリーズ(品番 101,301,501)
- 耐熱温度が高く(約400℃)、接着後の後工程で高温が加わる用途を始めとして、各種アプリケーションに
- 米軍MIL規格883, 5011・2に適合する高信頼性
- 接着温度は300~375℃
80シリーズ(品番 181, 282, 383, 581, 682, 482)
- 中温度帯の製品
※一般的な電子部品の接合に最適な特性を兼ね備えており、電子部品・半導体関連アプリケーションで最も実績のあるシリーズです。 - 米軍MIL規格883, 5011・2適合の高信頼性
- 接着温度は160~275℃
70シリーズ(品番 171, 272, 371, 571, 672, 472)
- 弾性係数が低く、熱応力の緩和に最も適した製品
- 125℃からの低温接着にも対応
ペーストタイプの概要
ペーストタイプの場合、接着面の寸法が□8mm以下であれば、ウェットプロセスによる接着が可能です。この寸法以上の面積では、Bステージ化による接着、または下記フィルタイプでの接着を推奨させて頂きます。Bステージ化対応により、ウェハバックコーティングによるダイボンディングのインライン実装化を実現します。Bステージ化後は、部品を搭載して各品番所定の接着温度で熱圧着することで、短時間(数秒~1分程度)で接着が完了しますので、生産性の向上に貢献します。(概要に関しては、こちらをご覧下さい。)
希釈、剥離のための専用溶剤を用意しておりますので、ユーザー各自での粘度調整も可能です。
補足情報:Bステージとは
本接着剤におけるBステージ化とは、接着剤をスクリーン印刷、スピンコーティング、スプレーコーティング等の方法で塗布後に、乾燥工程により溶剤を揮発し、塗布した接着剤を乾燥状態にすることを示します。
フィルムタイプの概要
接着プロセスに必要な時間は、数秒~数分です。(熱圧着による接着となります。)
指定寸法、形状にプリフォーム(型抜き)しての納品、またはリールでの供給にも対応致します。標準の厚みは3mil(約76μm)または5mil(127μm)となります。1.5mil(約38μm)、2mil(約50μm)、4mil(約102μm)も供給可能な品番ももございます。
プリフォーム加工
詳しくは当社担当者までお気軽にお問い合わせ下さい。
熱可塑性接着剤とは?
熱可塑性樹脂は、所定の温度に加熱されると樹脂が軟化し、その後温度が下がると固まるという特性を有しております。STAYSTIK接着剤は、この熱可塑性樹脂の特性を利用した接着剤です。熱硬化性接着剤のように硬化促進剤は添加されていないため物性的に安定しており、常温での長期保存を実現しております。
一方、こうした樹脂の特性から、接着後の後工程、製品の使用環境温度で樹脂が軟化し、接着強度が低下するという現象が見られることがあります。そのため、接着剤選定の際には以下の条件を考慮することが重要になります。
接着剤選定のポイント
- 接着剤硬化後の工程(例:リフロー、ワイヤーボンディング等)でかかる温度は?
- 製品が使用される環境温度範囲は?
また、最適な品番を選定する上では以下の条件も考慮しなければなりません。
品番選定のポイント
- 接着剤の材質
- 表面状態
- 被着体の材質が異なる場合、その線膨張係数差
- 接着面積
- 接着時に荷重することが可能か?
接着剤の選定につきましては、当社担当者までお気軽にお問い合わせ下さい。
その他
ポリイミドなどの被着材料や、被着体の表面エネルギーが低い(濡れ性の低い)ものは、良好な接着強度を得られないこともあります。その場合は、被着体に対してプラズマ処理等による表面処理をすることで、接着強度が改善されることがあります。
当社では、ドイツDiener(ディエナー)社のプラズマ装置も取り扱っていますので、接着強度の改善に併せてご検討ください。
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